●研究成果の概要
群馬県と埼玉県の高齢者健診受診者 1765 名(男性 862 名、女性 903 名、平均年齢 72 歳)
を対象に、平均 5.7 年(最大 9.5 年)間の追跡研究をおこないました。
身体組成指標として生体電気インピーダンス法注 3)で求めた
①骨格筋指数(四肢の筋肉量を身長の 2 乗で除したもの)と
②脂肪指数(全身の脂肪量を身長の 2 乗で除したもの)を、
身体機能指標として③握力と④通常歩行速度をそれぞれ評価し、
これら4指標と新規要支援・要介護認定および総死亡との関連形状を分析しました。
その結果、男女とも一貫して、骨格筋量や脂肪量に関わらず、
筋力・歩行能力が高いほど要介護状態になりにくく、
低いほどなりやすいという関係性が明示されました(図 A)。
一方、余命にも筋力・歩行能力が強く影響するものの、これらとは独立して、
男性では骨格筋量が多いほど余命が長いという正の関係性がみられました。
女性では脂肪量が高値であっても余命に有意な影響はなかったものの、
脂肪量が少ないほど余命が短いという関係性が示されました(図 B)。
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