
『蛋白質の推奨摂取量は、高齢者も若者もほぼ同じ』(城西国際大学薬学部教授 太田 篤胤)
成長期の中学生や高校生は実によく食べる。
わが家では、この時期、親の収入のほとんどが子供達の胃袋の中に消えたといっても過言ではない。
体を構成する主な成分は蛋白質なので、成長期には肉や魚から十分に蛋白質を取らなければならない。
その一方で成長が終わり、体がむしろ小さくなっていく高齢者では、蛋白質は少し食べればよい、
あるいは腎臓に負担が掛からないようにあまり食べない方がよい、と誤解している人が多い。
●高齢者こそ積極的な摂取を
蛋白質は生命の維持に不可欠な物質であり、組織を構築するだけでなく、酵素やホルモンとして
代謝を調節したり、物質輸送や生体防御に関与している。
成長に使われる蛋白質は、生命を維持するのに使われる蛋白質に比べるとわずかな量に過ぎない。
そのため、高齢者も、蛋白質の摂取制限が必要な疾患がない限りは、蛋白質を補給する必要がある。
実際に、厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準」(2010年版)を見ると、70歳以上の男性の
1日の蛋白質摂取推奨量は60gであり、これは、成長期の12~17歳の男性と同じである。
女性でも、12~17歳の1日の蛋白質摂取推奨量が55gであるのに対し、70歳以上は50gと、
ほぼ同じである。
多くの高齢者にとってこの事実は、かなり意外なことのようだ。
返信する