>>70 ストレッチングには、リラックスしてゆっくりと筋を伸ばす静的ストレッチング、
反動動作を利用するバリスティック・ストレッチング、筋力発揮を伴うダイナミック・
ストレッチングなど、さまざまなものがあります。
これらに共通した効果として、筋の余分な緊張を除き、関節可動域(ROM)を
広げることが上げられます。
体内のほとんどの筋は、運動をしていないときでも多少の緊張を保っています。
長時間同じ姿勢でいると筋の緊張が徐々に高まり、ROM が低下してきます。
こうした状態では、なめらかな動きができなかったり、急に関節を大きく動かすことで
障害が発生したりしますので、ストレッチングによって筋の余分な緊張を取り除くことは
当然重要と考えられます。
ところが最近、3~10分の静的ストレッチングの前後で筋力を測定すると、
最大挙上負荷、等速性筋力などの動的筋力(McLellan ら、2000;Cramer ら、2004 など)、
等尺性筋力および筋力発揮速度(Nelson ら、2000 など)がいずれも低下してしまうことが
示されました。
筋力低下は最大で約30%にも及び、その効果はストレッチング終了後45分間ほど
持続するようです。
また、筋力低下と平行して、筋の電気的活動も低下することから(Fowles ら、2000)、
この筋力低下は、筋線維の動員能力の低下によることが示唆されます。
筋力・パワー系競技の選手にとってこれは大問題です。
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