●タンパク質摂取量が少ない群ではフレイルリスクが上昇
より具体的に、フレイル(要介護予備群)の診断基準に含まれている
「1年当たり4.5kg以上の体重減少」の該当者の割合を比較すると、
第1四分位群は47.6%と半数近くに及び、第2四分位群も42.9%を占める
のに対して、第3および第4四分位群は4.8%に過ぎなかった(P<0.01)。
●腎機能の低い高齢者では、タンパク質摂取量が多いことが腎保護的に働く可能性
次に、腎機能低下に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、収縮期血圧、HbA1c、
non-HDL-C、尿酸、高血圧・糖尿病・脂質異常症・脳卒中・心不全の既往、
腎機能を評価した季節)を調整後、ベースラインの腎機能で層別化して解析を行った。
その結果、ベースラインで腎機能が保たれていた群(eGFR60mL/分/1.73m2以上)では、
タンパク質摂取量と腎機能変化量との間に有意な関連が認められなかった。
一方、ベースラインで腎機能が低下していた群(eGFR60mL/分/1.73m2未満)では、
タンパク質摂取量と腎機能変化量に正の相関が認められ(β=0.98、P=0.02)、
タンパク質を多く取ることによる腎保護作用が示唆された。
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