たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。
最も関連が深いと考えられるのは、腎機能への影響である。
健康な者を対象としてたんぱく質摂取量を変えて腎機能への影響を検討した比較試験のメタ・アナリシスでは、
35% エネルギー未満であれば腎機能を低下させることはないだろうと結論している。
また、20% エネルギー以上(又は 1.5 g/kg 体重/日以上又は 100 g/日以上)の高たんぱく質摂取が
腎機能(糸球体濾過率)に与える影響を通常または低たんぱく質(高たんぱく質摂取群よりも5%
エネルギー以上低いものとする)に比べたメタ・アナリシスでは、有意な違いは観察されなかった。
しかし、試験期間が短いなど課題が多く残されている。
したがって、現時点ではたんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分ではない。
たんぱく質の摂取不足は脳卒中のリスクになるとするコホート研究による報告もあるが、
コホート研究のメタ・アナリシスは両者に有意な関連を認めなかったと報告している。
返信する