◆よくある誤解:mRNAワクチンで、自分の遺伝子が改変される
そんなことが1~2回の注射だけで簡単にできるなら、今ごろ世の中は美男美女だらけで、
がんや遺伝病もとっくになくなっています。
高校の生物で習う項目に「セントラルドグマ」というものがあります。
簡単に言うと、「DNA」→「mRNA」→「タンパク質」という合成の流れの大原則です。
「DNA」は、いわば“生物の設計図”です。
これはとても大事なものなので、核というものの中に大事に収納されていて、
外から何かが入ってきて簡単に書き替えられたり、あるいは「DNA」が核の外に
フラフラと出て行ったりすることはありません。
「タンパク質」を合成する際には、この「DNA」の必要な部分だけがコピーされて、
外に出されます。
この“一部コピーされたもの”が、「mRNA(メッセンジャーRNA)」です。
この「mRNA」は、核の外でタンパク質合成に関わります。
なお、この「mRNA」が核内に戻ることは基本的にありません。
また、「mRNA」はタンパク質の合成が終わればすぐに分解されてしまいます(実験などで扱う際には、
むしろ分解されないようにすることが難しい=ワクチンも冷凍保管が必要)。
そのため、接種したmRNAが体内に長く留まって、ヒトの細胞の核内に逆流してDNAに組み込まれ、
その結果ヒトがウイルスになってしまう…なんてことは、どう頑張っても起こり得ないということです。
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