次に、上下の対称性。
ヘソ下3寸、骨盤と腰椎の付け根あたりで上下に分かれる。
これは健康度の高低よりも、身体能力の如何を大きく左右する度合いの高い対称性である。
ただ、健康に関しても、上下の対称性があまりにも狂いすぎて上半身と下半身が力学的に分裂すると
腰痛を招く原因になる。これを防ぐための行法が、ヨガのクンバハカによる骨盤底筋の養生だったりもする。
身体の上下の対称性が高い人間の代表格は、体操選手のような倒立を得意とする人々。
上半身と下半身の筋力バランスが均等なため、人並みはずれて倒立運動の負担が少ない。
これと比べると、たとえば羽生結弦のようなフィギュア選手は身体の前後対称性が高くてスピン運動の
負担が低かったりする一方、倒立運動が危険行為として禁止されているため上下の対称性はさほど高くない。
(下半身はムキムキなのに上半身は割と痩身であるなど) 白井健三のような倒立もひねりもどちらも
得意とする体操選手などは特に、身体の上下と前後の対称性を極めて高度に両立させているものである。
これも逆に、崩れていたほうがかえって有利になるスポーツもある。
ボクシングのメイウェザーや水泳のフェルプスなどは、骨格から上半身のほうが下半身よりも遥かに大きい
体型で、上下の対称性がお世辞にも高いとはいえないが、それが規格外の能力を発揮する糧にもなっていた。
どちらも人間的な問題性が指摘されているし、極めて高度な領域でのパラリンピックだったかもしれない。
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