
>そもそも食生活というものは、その土地の気候・風土・文化と不可分であるので、食料自給率も含めて日本特有の事情を考慮する
確かに現実的にはそこが最重要だよね。
糖質制限をテーマにした小説『甘い罠』の中にも次のようなセリフが出てきて考えさせられた。
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「もし日本中の人間が糖質制限をしたら、どうなると思います?」
「さっきも言ったけれど、ココから見える明かりの中には、寿司屋もある。和食も洋食、中華料理の店もある。
おにぎりや弁当を売って生活している人たちが生きているんです。すべて食文化です。この日本酒だってそうです。
日本の伝統と文化の結晶だ。それら全部を否定することになるんです」
「人類が炭水化物を主食にしてきたのは、四〇〇万年のうちたった一万年かもしれない。しかし、その一万年間に文字ができ、
哲学や数学が、そして宗教が生まれたんです。狩猟採集時代のままではおそらくできなかった文明、そして文化を創り出した。
極論すれば糖質が神や仏を生み出したと言ってもいいんじゃないかと、あなたの話を聞いて思ったくらいです。
もちろんオカルト的な意味ではありません」
「たった一万年だというけれど、けっして侮ることのできない一万年です。もし、糖質が神や仏を作ったとすれば、
そこには何か目的があったはずだ。そしていまあなたが言うように糖質が人類を滅ぼすとすれば、そこにもまた何か意味がある」
「責めているのではありませんよ、水谷さん。もし糖質が文化や宗教を作り、いまそれらを破壊しようとしているのなら、
それはそれで仕方のないことだと言っているんです。世界が炭水化物を止めることなど、できっこないのはあなたも気づいているでしょう。
それに替わるほどの家畜を飼うスペースも、家畜の飼料を栽培する土地も残念ながら地球にはありません。つまり食料は足りるが糖尿病で死ぬか、
糖尿病にはならないが食糧不足で餓死するか、いずれかを人類は選択しなければならないということになる」
「まあ、糖質で繁栄した人類、糖質で滅びるのもいいでしょう。ただまだ時間はあると思う。人類の英知が打開策を見つけるだけの時間が……。でないと本当に」
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